相手の言動に怒りを感じたとき、どのように気持ちを伝えるのが正解なのか。アンガーマネジメントに詳しい戸田久実氏は、「怒りをぶつけても相手は委縮したり反発するだけ。怒りの感情の裏側にある、不安や悲しみなどを伝えるのがいい」という――。

※本稿は、戸田久実『アンガーマネジメント』(日本経済新聞出版社)の一部を再編集したものです。

悪戦苦闘

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「なんで同じミスを繰り返すんだ!」とどなる上司の胸の内

怒りは第二次感情と言われています。

どういう意味かというと、怒りという感情の裏側には、一般的にネガティブと言われている感情が潜んでいるということです。

不安・心配・困惑・落胆・悲しさ・虚しさ……というようなネガティブな感情を、第一次感情と呼んでいます。

怒りという第二次感情の裏側には、いまお伝えした第一次感情があるのです。氷山をイメージするとわかりやすいでしょう(図表1)。水面上に見える氷山の水面下には、氷の塊が潜んでいますね。同じように、怒りという第二次感情の裏側には、第一感情が潜んでいるということです。

事例を挙げて解説します。

たとえば、部下が何度言っても同じミスを繰り返したとします。そのとき、上司が部下に対して「なんで同じミスを繰り返すんだ!」「何度言ったらわかるんだ!」という怒りをぶつけたシーンをイメージしてください。

このとき、怒りを表現している上司の感情の裏側には、第一次感情が潜んでいるとイメージしてほしいのです。

人によってどんな第一次感情を抱いているのかは違うと思いますが、たとえば、

「同じミスを繰り返されて、とても困惑している」
「誠意を持って教えているのに、その努力が無になったようで悲しい……」

と感じる人もいれば、

「このまま大事な仕事を任せていいものか、不安を抱えている」

という人もいるのではないでしょうか。