【7月15日 People’s Daily】中国の多くの大河の源流がある青海省(Qinghai)は「中華の水塔」と呼ばれ、生態系資源の宝庫であり、生態系の安全を守る防壁にもなっている。青海省の海西モンゴル族チベット族自治州(Haixi Mongolian Tibetan Autonomous Prefecture)、玉樹市(Yushu)、ゴロク・チベット族自治州(Guoiuo Tibetan Autonomous Prefecture)の長江流域にある9県で、546人の「魚類保護員」が誕生し、長江の禁漁チームを形成している。

 今年1月1日から、長江流域の重点水域で魚を捕ることが全面的に禁止された。保護員の主な任務は、長江流域の監視、禁漁政策の周知活動、さらに違法漁業や流域の違法行為の発見、報告などだ。

 青海省では青海湖、黄河、長江流域で青海湖裸鯉(らこい)などの稚魚340万匹が放流されており、計画では年内に2115匹を放流する。

 6月3日、青海省海北チベット族自治州(Haibei Tibetan Autonomous Prefecture)剛察県(Gangcha)の泉吉河では青海湖裸鯉の回遊シーズンを迎え、裸鯉が長年受け継がれてきた産卵エリアに向かって遡上(そじょう)していった。

 青海湖裸鯉救護センター普及研究員の祁洪芳(Qi Hongfang)さんは「かつて人間が農業かんがいのためダムを建設して川をせき止めた結果、親魚が遡上(そじょう)できず、ダムの周辺で酸素不足のため死んでしまいました」と振り返る。青海湖裸鯉は生殖能力をつけるに水流の刺激を必要としており、遡上する距離が短くなると産卵する確率が低下する。

 青海湖裸鯉の回遊を守るため、青海省では2010年から沙柳河、泉吉河とハルガル河のダムを撤去し、7つの回遊ルートを設けた。祁洪芳さんは「全長100メートルの魚道は階段状になっており、1.6メートルごとに30センチの段差と魚が休息するスペースを設けています。多くの魚がスムーズに遡上できるよう工夫しました」と説明する。

 剛察県農業・畜産科学技術局副局長のツァイダン・ツェテンさんは「青海湖裸鯉は青海湖の『水ー魚ー鳥ー草地』の生態系バランスを支える重要な役割を果たしており、地域の生物多様性にとって欠かせない存在です」と話す。

 中国水産科学研究院長江水産研究所によると、2020年12月段階で青海湖裸鯉の資源量は10万400トンに達し、保護活動を始めた当時の38倍に増え、以前の資源量の30%まで回復した。

 魚類をエサとする鳥類も恩恵を受けている。青海湖周辺の水鳥の生息数は2015年の25万羽から2019年は37万羽に増加した。生物多様性と種の豊富さが広がり、青海湖は中国で最も多くの渡り鳥が生息する繁殖地の一つとなっている。

 2003年に設立された青海湖裸鯉救助センターは裸鯉の保護、生態環境の観測、裸鯉の人工飼育や放流などの任務を担っている。18の飼育場で計2000万匹の稚魚が冬を越しており、センターは「裸鯉の幼稚園」と称されている。センターはこれまでに人工飼育した稚魚1億匹を放流しており、資源回復への貢献率は23%に達している。(c)People’s Daily/AFPBB News