【9月11日 People’s Daily】上海市浦東区(Pudong)、張江(Zhangjiang)サイエンスパーク内、超強力・超短波レーザー実験室。プロトンと電子が加速し、プラズマの高調波とアト秒パルスの発生実験が進行中で、「羲和」レーザー装置は流線形の赤い光を放ち、夢・幻のように見える。

 これは上海が世界的影響力を誇る科学技術イノベーションセンターを建設し、世界級重大テクノロジーインフラのクラスターを作り上げる最初の重大プロジェクトで、張江総合国家科学センターの重要なプラットフォームの一つであり、科学大国・中国の重要装置でもある。  

「自主的イノベーションは、原始的イノベーションが鍵となる。原始的イノベーションで最も重要なのは基礎科学分野の発見と創造で、それを支えるのがビッグサイエンス施設だ」と、上海市科学技術革新弁公室の関係者は述べた。

「羲和」レーザー装置こそが1つの支点だ。光子の科学研究分野で、以前の最高出力は10ペタワットだったが、同装置は建設期の2017年10月24日、10.3ペタワットのレーザー増幅出力を実現した。2019年12月7日、同装置の平均ピーク出力は11.7ペタワット、最高で12.9ペタワットに達した。

 これは何を意味するのか? この出力は、10個の太陽が地球に放射した総出力が髪の毛1本に凝縮するのに相当すると研究者は説明する。7月22日、強レーザー場物理国家重点実験室がこの装置に基づいて作った小型化した自由電子レーザーの研究成果が、国際学術誌ネイチャー(Nature)に巻頭記事として掲載された。サイエンス(Science)誌はこれを国際的に1960年に最初のレーザー装置が発明されて以来、レーザーパルスの出力向上における5番目の記念碑的進展と位置づけた。

 中国科学院上海光機所の冷雨欣(Leng Yuxin)副所長は次のように述べた。「未来には、『羲和』レーザー装置は生物の活性成分の運動を探測・結像することができ、生命の神秘を明らかにし、陽子線治療を開発し、がん治療を行い、反物質を生み出し、天体物理と宇宙の起源を探るだろう」

 浦東区は、こうしたビッグサイエンス施設のクラスターを形成している。現在同区で築き上げたまたは建設中の同類施設は10軒がある。2021年上半期に軟X線は2.0ナノ波長の自由電子レーザーの増幅・発光を実現し、ハードX線プロジェクトは超伝導加速器のモジュールの最終組み立てを完成した。また、新しいレイアウトを積極的に構築し、いくつかの重大なテクノロジーインフラを建設している。これらの施設は多元的なイノベーション主体の次々と加入を引きつけ、点から面につなぎ、イノベーションの勢いを加速させる。李政道研究所が今年試験運行し、上海交通大学(Shanghai Jiao Tong University)張江高等研究院が年内に作り上げる見込みで、上海プロセッサ技術革新センター、浙江大学(Zhejiang University)上海高等研究院、中国科学技術大学(University Of Science And Technology Of China)NK機能性プラットフォームなどの重点事業の推進が加速している。

 これにとどまらず、「超大規模なハッシュレートの開放、スマート自動車の研究開発・応用革新プラットフォームの誘致を推進する」「国際ビッグサイエンス計画とビッグサイエンスプロジェクトに積極的に参加し、主導組織し、世界のテクノロジーの協同革新を展開する」。『浦東新区の高水準な改革開放への支持、社会主義現代化建設の先導区の構築に関する中国共産党中央と国務院の意見』によると、浦東では多くのオリジナルのテクノロジープロジェクトが行われる見込みだ。(c)People’s Daily/AFPBB News