ドルは伸び悩みか、米金融緩和策長期化の思惑残る/ドル・円週間見通し

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ドルは伸び悩みか、米金融緩和策長期化の思惑残る/ドル・円週間見通し

2021/06/11

[為替週間見通し]
*16:16JST ドルは伸び悩みか、米金融緩和策長期化の思惑残る

 来週のドル・円は伸び悩みか。6月15-16日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で資
産買入れ規模の段階的縮小(テーパリング)について議論されるとみられている。た
だ、金融政策の早期変更の可能性は低いとみられており、現行の金融緩和政策の長期
化が意識されることでリスク選好的なドル買い・円売りは縮小しそうだ。

 6月4日に発表された米雇用統計は、非農業部門雇用者数が予想を下回ったものの、
失業率や不完全雇用率は低下し、平均時給は市場予想を上回っており、雇用情勢の改
善は続いている。また、10日発表の消費者物価コア指数(CPI)は市場予想を上回る伸
びとなり、インフレ期待は高まりつつある。新型コロナウイルスのワクチン接種の進
ちょくを受け、米連邦準備制度理事会(FRB)はFOMCで前回の会合に続き緩和縮小につい
て議論する見通し。

 ただ、FRB当局者の間では、インフレの高進は一時的との見方がなお支配的であり、
金融緩和策を早い時期に見直すことに慎重な政策方針に変わりはない。テーパリング
や政策金利の引き上げを実施するとしても、長い時間を要するとみられる。そのため
長期金利の上昇は抑制され、ドル買いは小幅にとどまりそうだ。世界経済は新型コロ
ナウイルスの感染拡大による打撃から立ち直りつつあるものの、景気回復に一服感も
みられ、市場のリスク選好ムードはやや縮小する見通し。そのため株高・円安は限定
的となり、ドル・円は110円台を回復しても、一段の上昇は阻止される可能性があろ
う。

【米・5月小売売上高】(15日発表予定)
 15日発表の5月小売売上高は前月比-0.4%と、4月の0.0%から伸びは大きく鈍化する
見通し。マイナスへの転落が嫌気され、GDPの下方修正への思惑から株売り・ドル買い
の要因となりそうだ。

【米連邦公開市場委員会(FOMC)】(15-16日開催)
 FRBは15-16日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、現行の政策を維持する公算。
資産買入れの段階的縮小(テーパリング)への言及が注目されるが、早期実施は困難
でドル買いは限定的の見通し。

・6月14日-18日週に発表される主要経済指標の見通しについては以下の通り。

○(米)5月小売売上高 15日(火)午後9時30分発表予定
・予想は、前月比-0.4%
 参考となる4月実績は前月比横ばい。新型コロナウイルス対策の一つである現金支給
の効果が薄れていることが要因。3月実績は上方修正されている。5月については現金
支給の効果が薄れていることから、前月比でやや減少する見込み。ただ、貯蓄は高水
準を維持していることから、経済活動の再開によって個人消費は6月以降、やや持ち直
す可能性がある。

○(中)5月小売売上高 16日(水)午前11時発表予定
・予想は、前年比+14.0%
 参考となる4月実績は前年比+17.7%。中国経済は昨年4月頃に底打ちしたとみられて
おり、個人消費は持ち直しつつあったことから、前年比での大幅な伸びは期待できな
い。ただ、5月実績も中国経済の持続的成長を示唆する数値になるとみられており、市
場予想は妥当な水準か。

○(米)連邦公開市場委員会(FOMC)会合 16日(水)日本時間17日午前3時結果判明
・予想は、金融政策の現状維持
 バイデン大統領が提示している大型インフラ投資計画に増税案は含まれない可能性
があることから、米国経済の失速に対する警戒感は低下しつつある。ただし、大規模
な財政支出によって政府債務は拡大しており、国債利回りの上昇が警戒されているこ
とから、今回のFOMC会合では金融緩和策の早期縮小の必要性について議論される可能
性がある。FOMCの声明は、金融緩和策の早期縮小について慎重であることを示唆する
内容となる可能性が高いとみられる。

○(日)日本銀行金融政策決定会合 18日(金)決定会合の終了予定時刻は未定
・予想は、金融政策の現状維持
 ワクチン接種拡大が日本経済に与える影響などが考慮されそうだが、現行の金融緩
和策の効果を慎重に見極める必要があることから、現行の金融緩和策は長期間維持さ
れる見込み。9月末に期限を迎える新型コロナウイルス対応の資金繰り支援特別プログ
ラムの延長の可否についても議論されるようだが、今回の会合で期限延長が決定され
る可能性がある。経済活動を金融面からしっかりと支援する姿勢を打ち出していくと
みられる。

○その他の主な経済指標の発表予定
・14日(月):(欧)ユーロ圏4月鉱工業生産
・15日(火):(欧)ユーロ圏4月貿易収支、(米)5月生産者物価指数、(米)5月鉱
工業生産
・16日(水):(日)5月貿易収支、(中)5月鉱工業生産、(英)5月消費者物価指
数、(米)5月住宅着工件数
・17日(木):(NZ)1-3月期国内総生産、(豪)5月失業率
・18日(金):(日)5月全国消費者物価指数、(英)5月小売売上高

[予想レンジ]
・108円00銭−111円00銭
《MK》

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